脱法ドラッグ店、一斉捜索へ=麻薬「α-PVP」販売先―都内製造工場摘発で警視庁
東京都練馬区で昨年11月、麻薬「α―PVP」の大規模な製造工場が摘発された事件で、α―PVPを含む液体やハーブなどを同工場から仕入れ、販売していたとして、麻薬取締法違反容疑で、警視庁などは28日、9都道府県の脱法ドラッグ販売店など関係先二十数カ所を一斉捜索する方針を固めた。捜査関係者への取材で分かった。
関係先は都内約10カ所のほか、北海道や山形、群馬、愛知、滋賀、大阪、兵庫、福岡各府県の脱法ドラッグ販売店。いずれも警視庁が昨年11月に摘発した製造会社「SSC」(練馬区)の工場で加工され、α―PVPを含むアロマ用の合法ハーブなどと称した商品を仕入れていたとされる。
α―PVPは覚せい剤と似た作用を持ち、厚生労働省が2012年11月に薬事法の指定薬物に指定。だが、その後も乱用が続いたため、同省は13年3月に麻薬取締法の麻薬に指定し、製造や販売、所持や使用などを禁止した。
製造工場をめぐっては、工場内でα―PVPを含む液体を製造し、練馬区内の脱法ドラッグ店経営者に販売したとして、警視庁組織犯罪対策5課が昨年、SSCを経営する男ら3人を麻薬取締法違反(営利目的譲渡など)容疑で逮捕。3人は同12月に同罪で起訴された。
同課などによると、3人は11年9月にSSCを設立。中国からα―PVPの原料とみられる粉末を輸入し、工場で合法のアロマ用液体やパウダー、ハーブを装った商品に加工し、インターネットなどを通じて全国の脱法ドラッグ店などに販売。12年11月から1年間で約14億6100万円を売り上げていたとされる。