ASKA容疑者逮捕でCD出荷停止は「おかしい」?
CHAGE and ASKAのASKA(本名:宮崎重明)容疑者(56)が覚せい剤取締法違反容疑などで逮捕された事件で、ASKA容疑者の作品を発売するユニバーサルミュージックは19日、「社会の中で活動する企業としてコンプライアンスを重視すべき立場から、熟慮した上で」と断りつつ「CD/映像商品 全タイトルの出荷停止」などを発表しました。
「コンプライアンス」と「作品に罪はない」
ところが、ロック歌手の内田裕也氏が21日に都内で開催されたイベント会場の会見で「捕まった男のCDやDVDがお店の棚からなくなるのはちょっとおかしい」と発言。ネット上でも「作品に罪はない」といった意見が目立つなど、物議をかもしています。
近年、薬物関連の違法行為で逮捕された、槇原敬之さん(1999年)、酒井法子さん(2009年)、JAYWALKの中村耕一さん(2010年)などのケースでも、関連する商品の出荷停止などの措置が取られました。
ユニバーサルミュージックが「企業としてコンプライアンスを重視すべき」と断っているように、罪を犯したアーティストの問題というよりも、作品を発売する企業の遵法意識から出荷停止などを選択するのは、最近の社会通念上やむを得ないことなのでしょう。
ところが、今回のASKA容疑者の事件の場合、6月に発売が予定されていた『宮崎駿監督作品集』に、CHAGE and ASKAのプロモーション映像である『On your mark』が収録されていたことから発売が延期されるなど、思わぬ余波が広がりました。ネット上で「出荷停止はやり過ぎだ」などと騒がれているのは、ASKA容疑者と、その作品の影響力の大きさを証明する皮肉な現象ともいえそうです。
カラオケは配信継続か
ちなみに、ネット上ではASKA容疑者が関わる楽曲のカラオケ配信も停止されるという噂がありますが、大手カラオケ配信会社に確認したところ「現段階では配信停止するかなどの措置については全く未定」とのこと。
今までのミュージシャンの逮捕でも「配信停止にした記憶はない」ということなので、『SAY YES』や『YAH YAH YAH』が十八番の人も、当面は安心してよさそうです。
一方、週刊誌などには刺激的な見出しが踊る記事があふれています。まだ容疑や量刑などは確定していないというものの、容疑者の「作品」でビジネスするのはコンプライアンスに反するけれど、報道とはいえ「名前」なら構わない、ということなのでしょうか。コンプライアンスや社会通念とは何なのか。改めて考えさせられる問題といえそうです。
via – Yahoo News