近年、梅毒が増えている!? 違法ドラッグでSexするとHIVリスクが高まる危険性も

昔の病気と考えられていた「梅毒」。江戸時代には遊郭のあった吉原でも猛威をふるい、ドラマにもなった「JIN-仁-」にも登場した古くからある病気の1つです。
江戸時代には治癒することなく、いくつもの悲劇が起きていましたが、現在はペニシリンという特効薬によって簡単に治療することができます。
そんな梅毒が今、日本で増えていると話題になっています。診断方法も確立され、治療可能な梅毒が今、どうして増えているのでしょうか。Sexually activeなビジネスパーソンはどんなことに気をつけていけばよいのでしょうか?
●Q1 梅毒ってどんな病気?
梅毒は、Treponema pallidum subsp. pallidum(梅毒トレポネ-マ)という細菌によって起こる性感染症の1つです。症状が多彩で、感染していても無症状の時期があるなど、「医者泣かせ」の病気でもあります。
一般的に、性器の粘膜に梅毒トレポネ-マが感染すると約3週間でChancre(下疳:げかん)と呼ばれる痛みを伴わない小さな潰瘍のような病変が、主に性器にできます(1期梅毒)。これは1~5週間で自然に消えます。
ところが下疳が消えても、細菌そのものは残っており、全身に広がり、手のひらや足の裏に発疹ができてきます。全身に細菌が広がると、発熱やリンパ節が腫れることもあります(2期梅毒)。
その後、潜伏期に入り再び症状が消えますが、梅毒トレポネーマは体の中で生き続けるのです(潜在性梅毒)。このため治療しなければ、臓器障害をきたすようになります(晩期梅毒)。生き続けた梅毒トレポネーマは、最終的に麻痺や視野障害、認知症を起こしたり、大動脈瘤を作ったりすることもあります。感染から10年から30年経ってから症状が現れることも珍しくありません。
症状が多彩であることから、感染を疑わなければ梅毒と診断することが難しい病気の1つです。
●Q2 診断が難しいのなら、どうやって検査するの?
下疳にいる梅毒トレポネーマを直接見つける検査方法と、採血による検査方法があります。
採血では、過去に感染したことがあるのか、現在、感染しているのかを判断することができます。梅毒に対する免疫反応を調べるため、感染してまもない1期梅毒では感染していても検査結果が陽性にならないことがあり注意が必要です。
●Q3 梅毒はどのように治療する?
診断が難しい梅毒ですが、抗菌薬のペニシリンで簡単に治療できます。残念ながら国内には1回の注射で済むペニシリンの薬剤は発売されていませんが、数週間にわたる内服や点滴で治療可能です。
●Q4 どうやって梅毒に感染する?
梅毒トレポネーマに”直接触れる”ことで感染します。
ペニスやワギナなどの生殖器の周辺だけでなく、肛門周囲や口や喉の粘膜にも梅毒トレポネーマがいる下疳ができます。膣性交だけなく、肛門を使用したアナルセックスやフェラチオ、クンニリングス、リミングといったオーラルセックスでも感染しますし、キスでも感染する可能性があります。キスでは感染しないHIVとはこの点が大きく違います。
さらに妊婦さんが感染するとお腹の中の子供にも感染します(先天性梅毒)。妊娠中の妻がいる夫が、風俗に行ったり浮気したりすることはこの意味でとても危険なのです。
一方、梅毒トレポネーマに直接触れることがないトイレの便座、ドアノブ、プール、お風呂、鍋をつつきあうことなどでは感染しません。
●Q5 HIVと梅毒、その危険な関係とは?
HIVは、血液、体液、膣分泌物に含まれており、膣、直腸、のど、口といった粘膜から体に取り込まれることによって感染する可能性があります。傷ついた粘膜はHIVの感染率が上昇します。
つまり梅毒感染によって粘膜が傷つくと、HIVが感染しやすい状態になるのです。このため、梅毒感染者は、感染していない人の2~5倍、HIVに感染しやすくなると言われています。
梅毒は数週間で治療できますが、HIVは生涯にわたって治療する必要があります。
●Q6 予防はできるの?
完璧な予防法は、セックスしないこと。オーラルセックスも、ディープキスもしないことです。
性行為を行わなければ、感染することはありません。でもこれは必ずしも現実的な方法ではないですね。
では次に良い方法はといえば、感染していない相手と性行為を行うことです。相手が陰性であれば梅毒をもらうことはありません。相手が陰性かどうかわからないときには、粘膜に直接触れなければ感染することはありません。
コンドームは、覆われている部分のペニスからの感染を、デンタルダムは覆われているワギナや肛門からの感染を防ぐことができます(関連記事)。一方で、これらに覆われていない部分の病変からは感染を防ぐことができません。
リスクが高いと思われる風俗でのこれらの行為や不特定多数の人との行為は危険を伴います。
また、お酒や覚せい剤、MDMAなどの違法ドラッグによるSex(キメセク、ジャブセックス)は、理性を消失させます。これらの違法ドラッグの使用は言語道断です。これらを使用した上でのSexは危険を伴います。性行為感染症の予防には、理性を保つことが非常に大切だと覚えておきましょう。
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via – yahoo News