栩内香澄美被告の初公判(1)“謎の女”栩内被告、無罪主張も「一睡もせず一晩中踊る」
《歌手のASKA(本名・宮崎重明)被告(56)とともに、覚せい剤取締法違反容疑(使用)で逮捕され、その後に起訴された栩内(とちない)香澄美被告(37)の初公判が22日、東京地裁(鈴木巧裁判官)で開かれる》
《ASKA被告の覚醒剤所持現場となったのは、栩内被告の東京都港区の自宅マンション。都内屈指の高級住宅街に住む“謎の女”に逮捕当初から注目が集まった》
《栩内被告とASKA被告…。捜査段階では、2人の尿や毛髪からは覚醒剤の陽性反応が出たが、2人は容疑を否認。しかし、ASKA被告は1週間ほどして容疑を認める供述を始め、保釈された》
《だが、栩内被告は捜査員の厳しい追及にも態度を変えることなく、「知らない」と一貫して容疑を否認し続けたという》
《起訴状によると、栩内被告は5月上旬から同17日にかけて、東京都内などで覚醒剤を使用したとされている》
《関係者らによると、栩内被告は青森県の高校を卒業後に上京した。東京都内のネイルサロンなどで勤めた後に、大手人材派遣会社グループで勤め始めたという。容姿端麗で、秘書的な存在だったとされ、芸能人らを接待するパーティーにも度々出席していた》
《ASKA被告と知り合ったのも、そのパーティーだったとされる。栩内被告の裁判では、ASKA被告との関係も明かされていくとみられる。裁判がいよいよ始まる》
《栩内被告が刑務官に付き添われる形で入廷する。フリルのようなもので胸元が大きく飾られたストライプのシャツに、黒のパンツ姿。送検の際と同じようにめがねをかけている》
《弁護人とひと言、ふた言、会話を交わした後、席についた。二重の大きな目を動かし、裁判官や検察官を確認し、小さく深呼吸してうつむいた》裁判官:「少し早いですがそれでは開廷します。被告人は前に出てください」
《ゆっくりと証言台の前に立ち、前を見据える》
裁判官:「名前は」
栩内被告:「栩内香澄美です」
《ほっそりとした身体から振り絞る。か細い声ながら、しっかりと答える》
《鈴木裁判官は、生年月日や職業などを尋ね、黙秘権の説明をした後、検察官に起訴状の朗読を促した》検察官:「被告人は、法廷の除外事由がないのに…」
《起訴状を読み上げる検察官を栩内被告はじっと見据え続ける。検察官は起訴状を読み上げると、鈴木裁判官が栩内被告に意見を求めた。罪状認否だ》
裁判官:「間違っているところはありますか」
《ここで弁護人が栩内被告に紙を手渡した。その紙を栩内被告は読み上げる》
栩内被告:「私は覚醒剤を使用していた事実はありません」
《栩内被告は最初にこう断言し、鑑定のミスの可能性を指摘した》
栩内被告:「鑑定の誤りであるか、仮に鑑定が確かならば、第三者が何らかの方法で私に使用した。私は無罪を主張します」
《そう一気に語った栩内被告は、最後にこう締めくくり、席に戻った。検察側と弁護側の対立の構図が鮮明となった》
《続いて、採用された証拠について、検察官が説明に入る。多くは淡々と説明するが、栩内被告の知人の証言を強調したいのか、細かく取り上げる》検察官:「犯行当時の行動からして、私は香澄美が覚醒剤のような違法な薬物をやっているのではないかと思っていました。『寝ずに起きていて、自宅で一晩中ずっと踊っていた』ということを話していました」
「昨年旅行に行った際には、部屋に入ると、そのまま眠ってしまい、翌朝も私よりも遅く起きてきました。旅行中は覚醒剤のような薬物をできず疲れやすいのかと思っていました」
「別府温泉に行った際には、直接見たわけではありませんが、廊下で立ったまま寝ていたそうです。飲酒によるものでもない、異常な行動がありました」《検察官は、知人の証言を明かし、栩内被告が薬物に手を染めていた実態を証明しようとした》
《続いて、弁護側が冒頭陳述に入る。弁護側は、栩内被告の毛髪鑑定は2度行われているとし、2度目は覚醒剤の陽性反応が出ていない点を挙げ、鑑定の間違いを主張するとした》
《栩内被告は、弁護側の冒頭陳述を手元の資料を食い入るように見つめ時折うなずきながら聞き入る》
via – yahoo News