栩内香澄美被告の初公判(4完)明かされるASKAメール、薬物検査の約束「守れているよ」
《歌手のASKA(本名・宮崎重明)被告(56)とともに、覚せい罪取締法違反(使用)容疑で逮捕され、後に起訴された栩内(とちない)香澄美被告(37)の東京地裁(鈴木巧裁判官)での初公判。弁護側の冒頭陳述は終盤にさしかかった》
《弁護側は引き続き、ASKA被告の取り調べ段階での供述から、栩内被告とのメールのやり取りについて説明。栩内被告は手に持った資料を見つめて弁護人の陳述を聞いている》弁護人:「被告人と宮崎(ASKA被告)は頻繁にメールなどでやり取りをしていました。4月29日ごろ、宮崎が薬物を使用しているかを疑い、被告人は『(定期的に薬物検査する)約束を守れないなら札幌(に一緒に行くのを)止めるよ』とメールしました」
「宮崎は『守れているよ。(中略)札幌、本当に楽しみにしているから、そんなこと言わないで』と返信しました」
「被告人は(ASKA被告の薬物使用を)疑いながらもいさめていて、使用していることは考えていませんでした。メール内容をことさらに偽装する意図もありませんでした」《弁護側は、ASKA被告が、栩内被告への覚醒剤の使用を一貫して否定していることを強調した》
弁護人:「宮崎は『被告人に無断で食べ物や飲み物に覚醒剤を入れたことはない』と供述しています。『一緒に使ったことはない』と一貫して主張しています」
「また、宮崎は『性交渉に使ったことはない。自宅で使用しており、被告人方で使ったこともない』とも供述しています」《弁護側は栩内被告が尿や毛髪の鑑定を求められた際に、拒まずに進んで協力したことも、無罪を裏付ける要素だとし、冒頭陳述を終えた》
《鈴木裁判官が、初公判で明らかになった争点を整理しようと、弁護側に問いかける》裁判官:「争点としては、鑑定と故意についてですね。捜査の違法性も主張しますか」
弁護人:「(捜査の違法性についての主張は)現段階では確定ではありません」《検察側は、ASKA被告について、証人請求する可能性を示した》
裁判官:「検察側は、弁護側の証拠請求(ASKA被告の供述調書)について同意しますか」
検察官:「宮崎被告の供述調書については、(本人の)証人請求の可能性がありますが、現段階では留保します」《ASKA被告の証人請求の可能性があるとした検察官の答えに対し、弁護側が疑問を投げかけた》
弁護人:「今の検察側の立証について、宮崎の証人尋問をするかもしれないということですが、何のためですか」
検察官:「被告人が主張を今日、初めて明らかにされたので、それを受けてです」
弁護人:「今日を迎えるために、(公判前の)進行協議をしてきました。今日、(罪状の)認否を申し上げたが、この場で初めてではありません。そう言われるのは、心外です」《弁護人が語気を強めたが、鈴木裁判官が穏やかな口調でいさめる》
裁判官:「争点について、検察、弁護側双方の請求証拠がどのように関連性があるか、裁判所も十分に咀嚼(そしゃく)し切れていないところがある。時間をおいて咀嚼させていただきたい」
《裁判官は毛髪鑑定についての証人尋問などを行う予定について、検察、弁護側双方に確認して、次回期日を9月9日午後1時半に指定。閉廷を告げた》
《弁護側の席から立った栩内被告はうつむいたまま、手錠を掛ける刑務官に軽く会釈をして法廷を去った》
via – yahoo News