死と隣り合わせの超危険ドラッグ「ハートショット」 1カ月で15人が命を落とす…
危険ドラッグをめぐる乱用者が後を絶たない。最近「ハートショット」という名の新種が出回り、これを使用した人物のうち、9月中旬から約1カ月で「15人が死亡した」(捜査関係者)という。
今年6月、東京・池袋で7人が死傷する車の暴走事件が起きながら、収束をみせない事件・事故。警察当局も乱用者の排除に血眼だ。
警察庁によると、今年1月から9月末までに危険ドラッグの使用が原因と疑われる死者は全国で74人に上った。そのうち目立って多かったのがハートショットの乱用者だった。
9月中旬に埼玉県で死亡した男性をはじめ、10月中旬までの約1カ月だけでも「15人が命を落としている」(捜査関係者)というから尋常ではない。
厚生労働省の麻薬取締官は「大麻に似た成分を含むカンナビノイド系の化学物質を合成して作っている。幻覚作用のあるこの化学物質の含有量が、他の危険ドラッグよりも格段に多いのが特徴だ」と危ぶむ。
暴力団関係者は「規制のたびに世代が更新されていく危険ドラッグの中で、ハートショットは『16世代』にあたるブツで、値段は4000円前後。レッドとブラック、ゴールドの3種類がある。気化した煙を吸い込むと、体がカーッと熱くなって鼓動が早くなる」と明かす。
乱用者の増加を受けて、厚労省は先月29日、薬事法に基づき、このクスリを違法薬物に指定した。が、業者が新たな危険ドラッグを生み出す可能性は高く、「いたちごっこ」(麻薬取締官)なのも現状だ。
薬物問題に詳しい小森榮弁護士は「そもそも危険ドラッグの原料となる化学物質は、カンナビノイド系と、覚醒剤やコカインに似た効果を持つカチノン系の2つに大別される。この化学物質を生み出すための成分の組み合わせは何万通りにもなり、すべてを法規制するのは事実上不可能。量が2倍になると、効果も2倍になる傾向があり、危険性もそれだけ増す」と指摘し、こう続ける。
「薬物の効果で錯乱状態になると、吐瀉物をのどに詰まらせたり、転倒事故に遭ったりするリスクが高くなる。異常な高熱や脈拍の急激な上昇で心不全を起こす恐れがあるほか、重篤な腎不全を引き起こして死ぬ場合もある。出回っている危険ドラッグで安全なものなどない」
警視庁では乱用者を徹底排除するため、関係者の摘発だけではなく、所持だけで運転免許を一定期間停止するなどあらゆる対策に乗り出した。
死と隣り合わせの危険ドラッグ。安易に手を出すと地獄をみる。
via – livedoor NEWS