
借金返済名目で現金を脅し取ったとして恐喝罪に問われた平塚市の土木建設業の男性被告(56)らの判決で、横浜地裁(景山太郎裁判官)は17日、「脅迫を行ったとは認められない」として、男性に無罪(求刑懲役2年)を言い渡した。共謀したとされた同市に住む従業員の男(47)に対しては、
覚せい剤取締法違反罪のみを認定、懲役1年10月(求刑懲役4年)を言い渡した。
判決などによると、2人は2011年3月、退職のため給料を取りに来た従業員の男性(48)に借金返済を迫った上、「踏み倒したら海に沈めてやる」などと脅迫、現金14万円を脅し取ったとして、横浜地検が12年10月に恐喝罪で起訴した。
2人は「脅していない」と一貫して起訴内容を否認。現金受け渡しの事実に争いはなく、公判では被害男性の証言の信用性などが争点になっていた。
景山裁判官は、判決理由で「被害男性の供述にはやや不自然な部分が含まれ、疑いが残る」と指摘。その上で「脅迫があった可能性はかなり高いとは考えられるが、恐喝罪が成立する程度の脅迫行為があったとまでは認められない」と結論付けた。
横浜地検の中村周司次席検事は「判決内容を精査し、適切に対応したい」とコメントした。