
軍事郵便を利用して合成麻薬などを米海軍横須賀基地に密輸したとして、県警が国際指名手配していた元米兵の男(31)が24日にも、日米犯罪人引渡条約に基づいて米国から日本側に引き渡されることが23日、県警への取材で分かった。
警察庁によると、1980年に発効した同条約で米国人の身柄が日本側に引き渡されるのは初めて。県警は引き渡し後、麻薬取締法違反と、覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕する。
県警薬物銃器対策課によると、元米兵の男は2004年7月、横須賀基地の元軍属の男ら2人=麻薬取締法違反などの罪で有罪判決確定=と共謀し、軍事郵便を利用してカナダから基地内の私書箱に合成麻薬
MDMA約3万錠と、覚せい剤とMDMAなどを混合した薬物約2万錠が入った小包を密輸した疑いが持たれている。
同年8月、男が出国したため、県警は麻薬取締法違反(営利目的密輸)容疑などで逮捕状を取り、国際指名手配するとともに外務省を通じて米国に身柄の引き渡しを求めていた。男は10年にフロリダ州で身柄を拘束されていた。